時間をかける贅沢　さが煌めきセット

お父さんは、外出先からも頻繁に電話して状況確認をしたり、常に味を気にしてるね。いまだに師匠のような先生から学ぶし、店頭に立ち電話もとる。その姿勢を一番尊敬してます。

ここにいるのが落ち着くんだよ。休むとお客さんに迷惑かけてしまうし、何よりこのライフスタイルが気に入ってるからね。

休んでも気が休まらないよね。昔ながらの製法を守り続けるってことは手作業も多い。泊まりこみで作業することもあるし、３６５日見守り続けてるから、つくるというより育てる感じかな。

諭志は４人兄弟の末っ子。成り行きで諭志がうちに入ってくれたけど、お母さんは跡継ぎが決まってホッとしてたよ。僕も、諭志の堅実で人当たりの良い性格を見ると向いてるなと思う。今までにない新しい視点も持っているし、イメージづくりをよくやってくれてるね。

子どもの頃から時に苦労してる様子を見ていたのもあって、抵抗はあったんだけどね。店に立つと、うちが代々続いてるように、お客さんも代々うちの味を好んでくれるのが分かって、やっていこうって決心したよ。

見て、感じて、考えることが大事だよ。僕も父が早くに亡くなって、高校に通いながら母を手伝ってたんだ。周りを見て覚えて、自分で判断するしかなかったけど、しっかり身につくもんなんだよ。あと少し僕のやり方を見せて、徐々に交代していかなきゃと思ってる。