【ふじ】花よりの贈り物

小学校に入った頃に母親が蜜蜂を飼い始めて、それから自分もずっと蜂と関わってきたからもう50年以上になるか。

僕も小さい頃から親父について回って働く姿をみていて、蜜蜂も好きだったんでいつか一緒に仕事したいと思ってた。それで5、6年前に戻ってきたけど、今は自分の子どもにもこの仕事をやって欲しいなぁって思ってる。

でも良い蜜蜂をつくるのは苦労だな。津山は盆地で寒いから冬は暖かい高知に移動させて蜂を増やしていくけど、常に状況をみて対処していかないといかんし。

気象条件も毎年違うしね。自然環境も変わって蜂が飼いにくくなってきているから、親父の長年の経験がより重要になってると思う。

雨の日の採蜜時なんか嫌になるほど刺されることもあるけど、それでも蜂は可愛いし正直に向き合っていくことを心がけてるよ。毎年、春に向けてだんだん蜂が増えてくるのをみるのは蜜を採る時より楽しいくらいだ。

僕は、安定した量の蜜が採れるよう努力することはもちろんだけど、品質も重視して、安心・安全な蜂蜜をお客さまに届けたいと思ってる。買ってくださった人からお手紙をいただいたりするとものすごくうれしいしね。これからは蜂蜜を通した食育というか、自然体験で子どもたちに野山の大切さを教えるようなこともしていきたいな。