【ふじ】椎茸問屋のもりもりセット

原田くんのことは、「頑張りよる子がおる」って消防団で噂になっちょった。品評会で賞を獲ったのも、もう4年前か。そういえば原田くんは、いつ大野に戻りよった？

大野に戻ってきてから、もう10年経ちますね。父親の地元の大野で椎茸作りがしたいと思って新規就農して。

椎茸作りは昔はお金になっていたけど、原田くんが始めた時は大変やったろ。

はい。最初は、夏にピーマンを作ったお金で冬に椎茸を作っていましたね。菌床栽培と比べると原木栽培は時間がかかりますが、大きくて肉厚な椎茸を長い期間収獲できるので、私はこの作り方にこだわっていて。

うんうん。交通の便がよくなって、産地問屋の役割も変わりよった。新しいことをやろうと私が50歳になったときに商品開発に取り組みはじめて、気づいたら加工品が6種類！

茂里さんは、本当に販売のプロですよね！どうやったら価値を付けて売れるのか教えていただいているからこそ、僕は今、生活できていますから。栽培技術力を上げて、もっといいものを作りますね！

作ってくれる人がいるからこそ、商品ば扱えるけん。農産物は気候に左右されやすくて大変だけど、若い人が辞めずに頑張りよるんが大事。椎茸づくりの文化は絶対に失っちゃいかん。それを守るのが産地問屋の役目やから。