女川町のギフト　ヤマホンセット

お前が東京から帰ってきて、17年になるな。

そうかぁ。子どももいたし、そろそろ戻るタイミングかなと。小さい頃は自分が家業を継ぐなんて想像もしてなかったよ。

俺は帰ってこないと思ってた。でも女川に帰ってきたいと聞いたときは良かったなと思ったよ。口に出したことはなかったけんど、戻って跡を継いで欲しいと思ってたからさ。

その時「女川に戻る前に、日本全国の取引先をまわって来い」って言われたんだよな。

女川から全国に行くのは大変だからな（笑）。

それから3年後か。さんまの値付けをやらせてもらうようになった。

自分で値付けするから大変なんだよな。でも素材が良くて鮮度も良いから、加工しても美味しいんだよ。

最近は銀鮭も。日本人が一番食べる魚だから、ブランド化して世の中のニーズに合わせた商品を作っていかないと。

お前がベイフーズを立ち上げてからは100％お任せだな。一緒に仕事をやると責任も半分になっちまうから、すべて任せる形でバトンタッチしたんだ。

世の中は変わっていくし、ニーズも変わっていく。魚もそうだし、ある意味女川の町もそう。震災前と同じものをつくることが復興じゃなくて、今の時代に合わせて変わっていくことも必要だと思うよ。

まったくその通りだな。これからはお前たちの時代だ。