BeeNiiお問い合わせ

投資家向けの「数字」が、人事の優先順位を変えはじめている

2026/07/02

投資家向けの「数字」が、人事の優先順位を変えはじめている

このブログは、法人向けギフトスケジューリングサービス「BeeNii(ビーニー)」を運営する地元カンパニーのコラムです。新卒で就職活動を経験したメンバー(Yさん)の実体験をもとに、代表の児玉による監修のもと、福利厚生と「人的資本開示」のズレについてお届けします。 監修:児玉 ライター:山崎 体験談:Yさん

開示義務化で、「スコアを上げるための福利厚生」が動きはじめた

2026年2月、内閣府令が改正されました。これにより2026年3月期の有価証券報告書から、経営戦略と関連付けた人材戦略・従業員給与の決定方針・平均年間給与の前年度比増減率の3点が、新たに開示義務の対象になっています。

出典:ラクテス「人的資本開示の義務化とは?対象企業や開示項目、2026年改正のポイントを解説」
https://rakutesu.com/human-capital-disclosure/

人事・総務の担当者にとって、これは単なる「報告書の項目追加」では済みません。エンゲージメントスコアや定着率。こうした数字を、投資家に向けて毎年「良化」させていく必要が出てきます。 「他社もやっているから」「スコアが上がりそうだから」。そんな理由で導入された制度は、当の従業員に驚くほど響いていません。今回は、就職活動を終えたばかりのYさんに話を聞きました。そこから見えてきた、企業の「見せ方」と「実態」のズレの正体を探ります。

「アットホームな職場」という言葉に、なぜ冷めるのか

Yさんは就活中、片っ端から企業の採用サイトを見て回ったといいます。「ここはおしゃれだな」「社員を大事にしていそうだな」。そう感じる会社は確かにありました。でも、それと同じくらい「実際どうなんだろう」と冷めてしまう瞬間もあったそうです。 その典型が、「アットホームな職場です」「社員同士は家族のような関係です」という、抽象的な言葉でした。具体性のない言葉だけが並ぶと、実態は何も見えてきません。 対照的に、Yさんが「面白い」と感じたのは、あるアウトドアブランドの会社が用意していた制度でした。交通費支給ではなく、「レクリエーション費支給」。アウトドアに貪欲であってほしいという会社のメッセージが、その名前一つに表れています。見た瞬間、「この会社は本気だ」という納得感が生まれたそうです。 Yさんが信頼を置いたのは、制度の手厚さではありません。その会社にしか語れない文脈と結びついているかどうかでした。逆に言えば、どこにでも当てはまる言葉や、他社の真似に見える制度は、どれだけ整っていても「テンプレ」にしか見えません。

エンゲージメントは指標化できますが、指標を追うだけでは作れません

人的資本可視化指針でも、エンゲージメント(従業員との対話)は、企業の人的資本の能力に影響を与える重要な要素とされています。

出典:内閣官房・金融庁・経済産業省「人的資本可視化指針(改訂版)」2026年3月23日公表
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000310186

ここで企業が陥りやすいのが、「エンゲージメントスコアを上げるために、福利厚生メニューを増やす」という発想です。でも、メニューの数を増やすことと、従業員が実際に「大事にされている」と感じることは、別の話です。 実際、企業規模を問わず最も「不要」と感じられている福利厚生は社員旅行でした。次いでカフェテリアプラン、保養所と続きます。

出典:株式会社ベター・プレイス「福利厚生制度に関するアンケート調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000088.000074850.html

本当に「見てくれている」と感じた瞬間は、データに残りません

Yさんが以前勤めていたホテルには、年に一度全社員が集まる場で、勤続年数に応じた表彰を行う習慣がありました。ホテル業界は勤続年数が短くなりやすく、3年続けるとまず表彰の対象になります。賞品を直接手渡してくれたのは支配人。その場で「ありがとうね」と声をかけられたといいます。 このとき、「テンプレっぽいな」とは感じなかったとYさんは話します。理由を聞くと、贈られたもの自体ではなく、手渡しという形式と、その場での一言があったからだそうです。 では、これが手渡しではなくデジタルの通知だったら。何があれば「見てくれている」と感じられるのでしょうか。Yさんの答えは明確でした。「自分しか知らないパーソナルなエピソードに触れた内容」。「いつも頑張っていますね」のような、誰にでも言えてしまう言葉では響きません。「あの時こうしてくれたことが助かった」という具体的な出来事への言及があってこそ、「ちゃんと会話してくれている」と感じられるそうです。 この線引きは、エンゲージメントスコアという指標には現れません。アンケートで測れるのは「メッセージカードの有無」まで。実際に効いているのは、そこに何が書かれているかという中身です。

リーダーが安心感をつくるのは、年に一度の表彰ではありません

もう一つ印象的だったのが、チームの安心感についての話です。もし自分がリーダーだったらと聞くと、Yさんは「リアルタイムで、その都度ちょっとした感謝を伝えること」を挙げました。「これ助かった」「対応早いね」。些細なことでいいといいます。むしろその積み重ねの方が、年に一度まとめて「1年間ありがとう」と言われるよりありがたい、と。 これは人事制度として設計しにくい部分です。年次の表彰制度やカフェテリアプランは仕組みとして整備できます。でも「日々の小さな感謝を、その都度本人に伝える」という行為は属人的な努力に依存しやすい。だからこそこぼれ落ちやすく、開示資料にも乗りません。

「制度の数」より「届け方の具体性」を競争力にする

人的資本開示が求める指標(エンゲージメントスコア、定着率、福利厚生の充実度)と、従業員が実際に「大事にされている」と感じる瞬間。この二つは、もともと別の軸で動いています。指標は制度の「数」や「有無」を測りやすい。一方で従業員の実感を動かしているのは、その制度がどれだけ個人の文脈に結びついているかという「具体性」です。 すでに何らかの方法で誕生日や記念日の対応をしている会社なら、この「具体性」を強化することが次の一手になります。BeeNiiは、従業員の記念日を登録するだけで、対象者の特定やスケジュール管理、リマインドなどの事務処理をシステムが担い、ギフト選びから発送・メッセージカードの作成・請求までをギフトコンシェルジュが代行するサービスです。手書き風のメッセージカードにも対応しているので、テンプレ的な一言ではなく、本人の働きぶりに触れた一文を添えることもできます。 人的資本開示のために、「見せるための制度」を増やす必要はありません。すでにある贈り方の精度を、もう少し上げてみる。それだけで、投資家にも従業員にも効きます。


BeeNiiについて詳しく知りたい方はこちら
https://gift.jimo.co.jp/beenii

自社の組織の湿度も、あわせてチェックしてみてください(無料・約5分)
https://team-humidity-check.vercel.app/