木桶仕込みの熟成醤油セット

うちは創業が昭和9年で自分で三代目じゃ。生まれも育ちも大崎上島で、大学で山口に行ったけど、それまでは明確に家業を継ごうと思ってなかったのう。

わしは大学で醸造科に行ったけん、その時から造ることは意識しとったけど、兄貴は何で継ごうと思ったんや？

大学で食品系の研究をしよって、そのまま企業で食品開発をと思っとったけど、その時に初めて他の醤油を口にして、違和感を感じたんよね。どうせ開発をするんだったら、自分ちの醤油づくりをしょうかのうと思って。

原料の調達から醤油の配達まで、うちのように全部の工程を自社でやってるのは珍しいけんね。

うちは杉の木桶を使って仕込んどるけんのう。でも木桶をつくる会社も無くなって、今は醤油屋が集まって木桶をつくりょうる。ぶちえらいけど、その分一つ一つの製造工程にこだわって、丁寧にものづくりが出来る環境はえーと思うよ。

島の人口も減ってきて島外に出す方が多くなったけど、色んな人にうちの味を知ってもらえるのは嬉しいのー。

島外どころか、外国人も興味を持ってくれるようになったけんのう。昔ながらの醤油づくりをしょうるところは減っとるけど、伝統を続けることで興味を持ってくれる人が世界中に増えていきょーる。このままの醤油づくりを続けられるよう、頑張っていきたいのー。