白神雪ん子りんご（雪室りんご）

昔は雪の中にりんごを貯蔵してたんだよな。８年くらい前に、冷蔵庫代がすごいかかるっていうんで、昔ながらの冷蔵方法を復活したらどうかって話したのがきっかけっすよね。

そうだな。子供のころは、そういうふうに雪の中からとって食べていたもんね。今みたいに電気冷蔵庫も無かったから。雪の中につめたら、とても甘さが際立っておいしかった。それを今も続けているんだよ。

雪室というかまくらみたいなかたちを作ってやるんだよな。

そう。１月中旬から雪室に入れて、３月末に取り出し。雪がとけちゃうと中の温度が変化してしまうから、毎日朝晩様子をみて雪を加えて０℃に保つんだよ。その気遣いが大変で…。

でも貯蔵方法としては本当に理に適っているよな。

そう。適度な水分も保たれるし、表の冷たい風も当たらない。白神山地という世界遺産の自然でとれたりんごを、自然な冷蔵で熟成させる。まさに山の恵みだね。

山の手のりんごの方が美味しいんだよな。昼夜の寒暖差があったほうがひきしまってね。

ただ、もぎってそのまま食べてもあんなに甘くはないよね。

雪のなかで熟成させるからこそ、自然な甘みがでるんだよな。

あたたかい愛情を注いで一緒に寒い冬を越すわけだね。