【やまぶき】深層海塩ハマネ

28年前に三原山の大噴火で温泉が出て、そこで民宿の主人が井戸を掘ったら海水しか出なくて、その方から知人を通して父親に「この海水をどうにかできないか？」と相談があったんだよ。

突然親父が塩を始めて、「あぁ〜」って驚いたよ。

ウチの親父、商才があるんだよ。人間なんてどうなるかわからない（笑）。「覚えるんだったら帰って来い」と18年前に呼び戻されて。

僕は、父親も歳だし「手助けをしないと」という気持ちがあって、自分から「今の会社辞めて、塩作り手伝うよ…」って言った。

俺は大島でのんびり仕事をしたかったんだけどね（笑）。

兄貴を見て、「辛そうだな。俺も頑張んなきゃな」と思ったんだよ。

塩って脇役だから、素材の持ち味をいかんなく発揮させたい。メインの素材をいかに活かすかだからね。

おにぎりは美味しいね。お肉は焼いてそのまま塩をかければ。

角がないまろやかな味。味付けなどの決め手に使ってほしいね。成分分析もしたけど理由は「分かりません」って言われた。もう遅いかもしれないけど、塩・コショウも作りたいなぁ。

外から来た人の頑張りを見ると「地元の人が盛り上げないと」って思うよね。

危機感はあるね、やっぱり。やってダメならまた新たな道を探してやればいいだけだよ。