謝罪・お詫びのマナーは? お詫びの品・菓子折りの選び方や予算まで
ビジネスの失敗や子ども同士の問題など、相手に謝罪する場合には「お詫びの品」「菓子折り」が必要です。
その際に
「どのようなお詫びの品・菓子折りを選べば良いか」
「熨斗(のし)はどうするか」
「どのタイミングでどのように渡すかがわからない」
方もいるかもしれません。
このため、今回は謝罪・お詫びの菓子折りのマナーについて紹介します。
基本的なことから、お詫びの品・菓子折りの選び方や予算まで、わかりやすく説明します。
また、謝罪に適したギフトも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
【 もくじ 】
- 1 そもそも菓子折りとは何か?
- 2 謝罪の際に菓子折りを渡す際の作法
- 2-1 お詫びの品に必要不可欠な行為
- 2-2 謝罪の菓子折りを渡すタイミング
- 3 シーン別菓子折りを渡すときに気を付けるポイント
- 3-1 ビジネスシーンでのトラブルの場合
- 3-2 交通事故などにより他人にケガを負わせた場合
- 3-3 近隣住民・子ども同士でトラブルが発生してしまった場合
- 3-4 女性に謝罪する場合
- 4 謝罪用菓子折りについての熨斗(のし)のマナー
- 4-1 表書きについて
- 4-2 水引について
- 5 謝罪の菓子折りの予算の目安
- 5-1 ビジネスシーンでのトラブルの場合
- 5-2 交通事故などにより他人にケガを負わせた場合
- 5-3 近隣住民・子ども同士でトラブルが発生してしまった場合
- 6 謝罪を伝える際におすすめのお菓子について
- 7 最後に
そもそも菓子折りとは何か?
本来、菓子折りは「菓子が入っている折箱」を指しました。折箱とは、薄木で作った箱のことです。
従来、お菓子は高価なもので、重箱に詰めて贈答するのが日本の文化でした。
それが時代を経て、庶民が手に入れることができるようになり、重箱から薄木で作った箱である折箱に詰められるようになったのが、菓子折りの由来です。
ただ、近年では、菓子も含めて「菓子折り」と捉えられるようになっています。
さらに、紙の箱に詰められたお菓子でも、「菓子折り」とされています。現在でいう「菓子折り」とは、外箱に入った贈答用のお菓子のことだと解釈すれば間違いないでしょう。
謝罪の際に菓子折りを渡す際の作法
お詫びの品に必要不可欠な行為
お詫びする際に必要な行動は、2つあります。最初に、お詫びの品と一緒に添え状を用意することです。そして、お詫びの品を渡すときには、落ち着いて行動し、謝罪の言葉を忘れずに伝えます。ここでは、添え状と謝罪の言葉について、詳しく学んでいきましょう。
1.謝罪の言葉
「私の不注意により問題が生じ、相手方にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。(もし怪我を負わせた場合は追加で述べます。)今後、同様の問題が起こらないよう、〇〇〇〇のような対応をしてまいります。賠償については、保険会社と相談して対応いたします。」最後に、「心ばかりですが、お納めください。」と述べ、お詫びの品を手渡します。そして、「本当にすみませんでした。」と深々と頭を下げて謝罪します。
2.謝罪の添え状
[謝罪文][○○様] この度は、私の不注意により、○○○○になってしまい、大変ご迷惑をおかけしてしまいました。今回の出来事で、自分の認識不足や思いやり不足を痛感し、心よりお詫び申し上げます。今後は細心の注意を払い、同様の問題が起こらないように対策を講じていく所存です。(なお、賠償については保険会社と相談の上、誠実に対応いたします。)改めまして、深くお詫び申し上げます。[日付][自身の名前]
謝罪の菓子折りを渡すタイミング
謝罪のお菓子を渡すタイミングについては、まずは謝罪の言葉を述べ、相手が謝罪を十分に受け入れたことが確認できた後に、お菓子を差し出すようにすることが望ましいです。それは、お菓子を渡すことで、自分が物で問題を解決しようとしているような印象を与えてしまうのを防ぐためです。
シーン別菓子折りを渡すときに気を付けるポイント
ここでは、謝罪の場面ごとに、菓子折りを渡す際の注意点を説明していきます。謝罪する場面によって留意すべき点が異なりますので、しっかり覚えておきましょう。
ビジネスシーンでのトラブルの場合
もし取引先に損害を与えてしまった場合は、迅速に謝罪する必要があります。ただし、慌てて訪問して不適切な行動をとると、かえって相手を怒らせることがあるため、まずは上司に報告してから対応を検討しましょう。
謝罪の際は、まずは電話で相手の都合を確認してから訪問します。トラブルの内容によっては、上司に同行してもらうようにすることもあります。訪問の際は、お詫びの品を持参することを忘れないでください。
謝罪に複数人で行く場合は、上司など地位の上の人が菓子折りを渡します。手提げ袋に入れている場合は、相手に渡す前に外袋から取り出すのがマナーです。外袋はほこりや濡れから守るためのものであるため、焦ってそのまま相手に押し付けないように注意しましょう。
交通事故などにより他人にケガを負わせた場合
まず、事故を起こした際には、謝罪し、相手を気遣いながら状況を判断します。相手には軽傷でも病院に受診してもらうようにお勧めしましょう。
翌日には電話で再度謝罪し、検査結果について確認し(謝罪するため)訪問の可否を伺います。被害が大きかったり、事故の内容によっては、相手が謝罪を受け入れてくれないこともあります。その場合は、相手の怒りが収まるまで謝罪を続け、最後まで話を聞くようにしましょう。
訪問する際には、お詫びの品を持参しましょう。服装は、無地のスーツが適切です。訪問の際は、交通事故と怪我について謝罪と賠償の話をし、帰り際にお詫びの品を手渡し、最後に一言謝罪します。
近隣住民・子ども同士でトラブルが発生してしまった場合
近所付き合いや、子供同士でトラブルがあった場合は、実際の当事者にお詫びの品を持って謝罪に行きましょう。できれば翌日には謝罪に行き、迷惑をかけたことを謝罪し、お詫びの品を渡し、「今後は気を付けます」と伝えましょう。
女性に謝罪する場合
女性の相手に対してお詫びする際には、家に入ることはせずに玄関先で謝罪するのが一般的なマナーです。相手が「上がってください」と言っても、できるだけ家に入ることは避け、玄関先で対応するようにしましょう。
謝罪用菓子折りについての熨斗(のし)のマナー
熨斗(のし)をつけると、謝罪の意図が伝わらない上に、反省していないと思われてしまうことがあるため、謝罪の場合は「のし」がないものを選びましょう。代わりに、お店の包装紙で包んだり、無地の掛け紙を添えると良いです。またお店で購入する際には、「お詫びの品」と伝えるとスムーズに対応してくれるでしょう。
表書きについて
表書きは「粗品」と「松の葉」(目上の人に渡すお礼を意味する表現)を、もし謝罪の気持ちをより強く伝えたい場合は、「お詫び」、「深謝」、「陳謝」などの表現が適しています。
水引について
水引は、本数や色によって異なる意味があるため、それを守る必要があります。お祝い事には、何度でもよいとされる紅白の花結びを用いることができます。
一方、お詫びの菓子折りにつける水引には諸説があります。紅白の花結びでよいとする説もあれば、結びきりが適しているとする説もあります。しかし、紅白の結び切りは婚礼にも使われ、お詫びには不適切と考える人もいます。
のし紙をつける場合は、水引を付けずに白無地のものを選ぶのが無難と言えます。
謝罪の菓子折りの予算の目安
謝罪の内容にもよりますが、一般的に、謝罪の場合は3,000円~1万円程度が相場とされています。以下に、謝罪の場面ごとの予算の目安を紹介しますので、参考にしてください。
ビジネスシーンでのトラブルの場合
取引先に与えた迷惑の程度に応じて、謝罪の金額は異なりますが、小さなミスの場合は約3,000円程度、やや重要度の高い場合には約5,000円程度が一般的だとされています。著名な店の上品な和菓子や、伝わりやすい「格」のあるものがお勧めです。
交通事故などにより他人にケガを負わせた場合
適切な予算としては、5,000円から1万円が適切です。ただし、相手に不快感を与えることがあるため、あまり高価すぎるものを選ぶべきではありません。適切な範囲内の菓子折りを用意しましょう。
近隣住民・子ども同士でトラブルが発生してしまった場合
問題の内容によっては異なりますが、適切な予算は3,000円から5,000円程度であり、全年齢層に好まれるカステラやゼリーなどが良いでしょう。
個別包装された焼き菓子のアソートなどもお勧めです。
謝罪を伝える際におすすめのお菓子について
謝罪のお菓子を選ぶ際には、目立たない控えめなものを選ぶのがよいとされています。高価なものは相手の反感を買う可能性もあるため、避けることが望ましいです。また、相手がお菓子を食べるたびに嫌な思い出が蘇ることを避けるため、日持ちの長いものは避けた方がよいでしょう。消費期限が1〜2週間程度の品物がおすすめです。謝罪にふさわしいお菓子をまとめたリストもありますので、参考にしてください。
最後に
この度は、謝罪やお詫びの際の菓子折りのマナーについて説明し、おすすめの品物についてもご紹介しました。重要な場面では、適切なマナーで菓子折りを手渡しし、謝罪の気持ちを表現することが大切です。この記事が、謝罪の菓子折りを選ぶ際のマナーや商品選びにおいて、参考となることを願っています。
1.菓子折りは、日持ちするものを選ぶ
2.のし紙の表書きには「粗品」「松の葉」「お詫び」「陳謝」のいずれかを記入。
3.のし紙の水引については諸説あるため、心配な場合は無地ののし紙を使うことが無難。
4.菓子折りは、謝意を伝えた後に渡すのが良い。
5.渡す直前まで袋に入れておき、渡す際に取り出すと良い。
6.相場は、3,000円から10,000円程度。
謝罪の際に渡す菓子折りは、あくまで謝罪の補助として贈答するものであり、謝罪する誠意や立ち振る舞いが大切であることを忘れないようにしましょう。