ふきのとうオリーブオイル漬

工房はおれの定年退職をきっかけに２０１８年から二人で始めたんだよな。地域の食文化を残したいという思いでね。

地元に育ちながらも山菜を食べたことのない子や餅つきをしたことのない子が多くてね。子どもたちに美味しさを伝えたいなって。

とち餅づくりや山菜の保存をできる人がだんだん少なくなってきている。おれは県内でも海の育ちで、山菜採りを本格的に始めたのはキヨミと結婚してからだけどね。

私は山育ちだから、一緒に山菜を採りに行くと、始さんの見落とした山菜がたくさん(笑)。だいぶ上達したけどね。

山に行くと野生の動物と遭遇することも。木の実を採っていたらリスににらまれたよ(笑)。

山にお邪魔させていただいているから、私たちが採るのは必要な分だけね。

そうだね。調理はキヨミの担当だけど、特にこだわってる部分は？

賞味期限の関係で流通に乗りにくい部分はあるけど、保存料は使わないようにしてる。本当の味を大事にしたいからね。

道の駅や直売所で販売したり、地元のマルシェにも出店してるけど、楽しみにしてくれている人がいる。色も味も良いとお客さんから好評をいただいているよね。

嬉しいわね。地元食材を使った田舎のご馳走を食べられるお店を開くのがいまの私たちの夢ね。