色亀甲夫婦箸 木箱入り

店主で現在何代目なんですか？

私は６代目で、この店は明治の始め頃にできたね。昔はそれぞれの家で冠婚葬祭をしていたから、みんな漆器の器を一通り揃えておいたものなんだよ。

今は自分の家で揃えなくてもよくなって、それからどんどん漆器が今の生活から遠いものになっているように思いますね。

嫁入り道具にしたり、お茶文化がもっと身近にあったからね。今は文化が変わってきちゃっているのかな。

私は漆器の器が好きで、煮物や汁物は漆器の器を使っていますよ。

漆器、塗り物が好きな人は絶対に料理も好きになると思う。器ひとつで想像力がすごく変わると思う。

確かに。私の母も常に「この料理はこの器が似合いそう」っていつもお皿との組み合わせのことを考えていて、料理も上手です！

そうなんだよね。それに漆器は特別なもの、高級なものと思いすぎず、日常でいっぱい使ってほしい。生活の道具なんだよね。

高いものもあるけれど、お手頃なものもあって、手に取りやすいお箸やお椀から使い出したらいいと思います。どんどん漆器を使う人や場面が増えていくといいですよね。

日常の中に入れてほしいね。漆器は全部修理できるから、次の代次の代へと受け継がれることのできるもの。それに幼い頃から漆器に触れることで自然とものの扱いがわかってくるんだよね。これからも、この地域で漆器の文化を発信していかないとと思っているよ。