遠野の気候と風土が醸す 天然醸造味噌ギフト

遠野は寒い地域だから、江戸とか明治の頃は米が貴重だったんだよ。戦後まで味噌に米麹なんて入れられなかったから、どれだけ貧しい地域だったかよくわかる。うちは麹屋だったから、ずっと米麹使ったお味噌なんだけど。

全然記憶にないなぁ。でも実家では味噌玉造ってたって大人になってから聞いたね。馬とか牛にもその味噌玉を食べさせてたって、農家さんも話してたよね。

馬とか牛を農耕にも使っていたから、汗かいてたんだよ。

塩分補給だったんだよね。昔は人も動物も汗をかく仕事ばかりだったから。

それこそうちの味噌造りは、昔からの造り方そのままで力仕事ばかりだし、大豆を釜で煮ると泡がブクブクコンモリと出るから、つきっきりで取らなきゃいけなくて汗だくだよ。

私は計量担当で、造るのはほとんど任せきりだからね。（笑）嫁いだ当初は、味噌詰めはしゃもじで一つずつ詰めてたし、私も毎日一生懸命量ってるのよ。

今は袋の方が主流になったね。昔は皆樽をもってきてくれたから、沢山詰めて持って帰ってもらってね。

昔は酒屋も油屋も皆量り売りをやってたわよね。

そうだね。味噌は寝かせると美味しくなっていくから大量に買う利点もあるんだよ。岩手の味噌はあまり特徴がないけど、だからこそシンプルな美味しさがあると思う。味がだんだん変わってくるのを楽しんでほしいな。