岬ひじき

石原さんが山梨県から移住しよったとき、若い漁師が少ないこの港に、新しい仲間が加わって嬉しかったっちゃん。

俺こそ快く受け入れてもらえて。昔から海と釣りが大好きで、本格的に漁師を志してからは、香々地の豊富な漁に惹かれて移住を決めたんだ。

リアス式海岸から浅海へと変化に富むこの香々地沖で、俺はヒラメやカサゴ、メバルの網漁、石原さんはタコ、アナゴ、イカの籠漁を生業にしよる。

ひじき部会では市場に出回っていなかった寒ひじきの加工に携わって、その大変さを思い知ったよ。

ひじきは選別作業が難儀っちゃね。始めは汚れを取りきれんで、真っ白なひじきになってしもうたりね。

資源保護のため俺ら漁師が1年に1日、大寒の夜にだけ採る貴重な寒ひじきは、昔ながらの鉄釜で炊くことで鉄分が増強されて栄養は満点。新芽のように柔らかい食感はサラダで楽しむのがおすすめだね。

もなうめぇよな。このうまさを全国の方に味わってほしいね。石原さん、4年目の漁師生活はどうよ？

楽しいね〜。18歳で漁師の道に入った優也くらい、イカツい雰囲気の漁師になれたかな？地域の子供達の食育にも積極的に関わる優也は、漁師仲間でも頼りになる存在。共にこの香々地の海を守っていこうぜ！

なんかそれ（笑）。俺こそ、これからもよろしくな！